見沼西縁の桜 近景・遠景 2021・03・31
■東浦和から見沼用水西縁を大宮方面へ
毎年恒例の見沼での花見。幸いなことにほぼ満開(少し過ぎたが)でのお花見となった。ここの素晴らしいのは見沼用水沿いに延々と桜並木が続くこと。大宮公園まで自転車でゆっくり走りながら1時間以上桜並木を堪能できる。用水は蛇行しているので、距離にすれば10㌔近くの桜並木になろうか。水面も花筏となり、その間、目にするものはただ桜となる。ただ、不思議なことにそんなに有名でもなく、本日も平日なので歩く人もまばらでである。埼玉の埼玉たる所以か。見るべきものはあまりなしとの人の固定観念は恐ろしい。また、東側には広大な見沼田圃が広がっているので、田園風景も併せて楽しめる。桜が咲いていなくとも、こちらだけでも十分な景色だ。今年はコロナ禍でどこも宴会形式の花見は禁止になっているが、元々ここの桜は移動しながら楽しみ、時折足を休めるという見方なので時節柄ぴったりだとも思う。だいたいにして、どんなにきれいな桜でも一か所に留まって見ていれば飽きるのも当然で、では団子(お酒)をということになる。通り過ぎながら楽しむ桜こそ、本来の楽しみ方ではないだろうか。
■大宮公園から芝川沿いに 西縁の桜の遠景を楽しむ
例年は見沼用水東縁へ出てそちらの桜並木を楽しむのだが、今年は少し趣向を変えた。大宮公園の桜を堪能した後は、芝川沿いに東浦和方面へ戻ることにした。今年は陽気のせいで色々な花がいっぺんに咲いていて、見沼田圃の風景も良く、その中を自転車で走ってみたくなったのだ。そして、南に進むと先ほど通り抜けてきた西縁の桜の回廊が遠景となりこれがまた美しい。田園の中にこんもりと浮かぶ桜色の雲のようだ。吉野の桜も遠景を楽しむわけだから、これも桜の景気の王道のひとつだろう。新しい発見となった。
安田登さんの引用になりますが、風姿花伝では「花」の特徴を変化であるといっているそうです。「往する所なきを、まづ花と知るべし。」ということで、こうして移動しながらの花見、また時期をずらしての花見というのが本来の花の良い見方ではないでしょうか。