懐古園の桜 「千曲川紀行」2021・04・11列車の旅
■8:00ちょうどのあずさ5号で、中央線で小淵沢まで
中央線とは縁が薄い人生だ。あずさに乗るのもまだ3度目位のような気がする。時刻表で調べて新宿発8時ちょうどは2号ではなく5号なのだと初めて知った。たまたまYouTubeで天気の良い日の中央線の景色は最高というお話を拝見し、天気も良さそうなので以前から考えていた懐古園の桜を中央線経由で見てやろうと思い立った次第。
新宿駅で500円弁当とビール、軽いつまみを買って列車に乗り込む。新宿駅は駅弁も売っているが、場所柄とコスパで成城石井とした。席はネットで取ったがガラガラ。これだったらコロナも問題なし。やっぱり特急電車は良い。2人席を楽々と使い、晴天の中朝から飲むビールは格別だ。あずさの車両はきれいだし気分が良いのだ。そして動画で見たように甲府盆地やその先の南アルプスの風景もまた格別であった。後日「日本の鉄道車窓絶景100選」という新潮新書で確認したら、勝沼ぶどう郷と韮崎からの景色の2選があげられていた。納得した次第。
■「千曲川紀行」小淵沢から小海線で小諸へ
小海線は松原湖での合宿依頼だから39年振り。清里に女子と来るようなことのない人生であった。ただ、松田聖子の「ボンボヤージュ」という曲はなかなか良くて、何となく清里のペンションに初めて泊まる若いカップルの曲のように思える。それはさておき、小淵沢からは周囲が別荘も多く、平山郁夫の美術館では結構人が降りた。落ち着いた雰囲気である。そして、信濃川上の駅の手前から小海線は千曲川と並行して進むようになる。この辺の東側の山奥が千曲川の源流で、埼玉との県境の十文字峠の方になる。秩父と背中合わせになり、距離も近いのが意外とも言える。また、川上村なので、JAL機墜落の御巣鷹山もこちらからが入口になる。墜落については川上村の村民の証言がいろいろあるようだが無視されている。
車窓ももちろん楽しめるのだが、自身が新潟の長岡出身なので、この川が実家の近くまで流れていくのだと思うと感慨ひとしおである。いつかこの辺から自転車で実家まで走ってみたいという内に秘めた野望がある。車窓を見つめながらムラムラと気持ちが湧いてくる。ただ2019年の台風19号の影響だろうか、護岸工事をしているところが多く、風景が落ち着くにはもう少々時間がかかりそうだ。実は延々と田舎の景色を期待していたのだけれど、小海線も佐久にはいると市街地になり、意外や乗降客も多くなる。利用者に高校生らしき若い人達、特に女性も多く、首都圏とあまり変わらぬファッションなので目には麗しいがローカル線らしさは薄れる。遠景には山々が並び信州らしい。沿線の桜がきれいで、懐古園が期待された。
■懐古園の桜
懐古園は中学1年生の修学旅行以来なので、実に47年振りとなる。確かに時の流れは一瞬のように感じる。ここが修学旅行の地になったのは島崎藤村のお勉強のためなのか、それとも小諸藩が地元長岡藩の親戚でともに殿様が牧野様であったためか、その辺は定かではない。懐古園は小諸の城跡であるが、高々3万石のお城にしては妙に立派である。長岡藩の親戚とはいえ、綱吉の従弟を与板藩の養子にして城主にしていること等から、いろいろ複雑な事情があったことが考えられる。ともあれ桜である。この辺は言葉が思いつかず、自身でも情けないのだが、一言で言えば北国の桜で可憐だ。咲き誇ってはいるのだが、決して咲き乱れないそんな奥ゆかしさがある。そしてここの桜は城の石垣と遠くのアルプスの景色とのコラボレーションが他では無く、実に希少な景色といえる。少々後ろめたいが、コロナのせいで休日にこの控え目な人出で鑑賞できたことは感謝したい。
■軽井沢からJRバスで横川へ
小諸から「しなの鉄道」で軽井沢へ。昔懐かしいJRの車両だ。それにしてもJRは歴史ある信越本線を新幹線開通を理由に葬ってしまった。軽井沢から横川はバスとなる。横川には鉄道の博物館もあるが、信越本線開通は日本の近代化の歴史および鉄道史の重要な部分なので、鉄道を営利企業とするのはさてさてどうかとも思う。碓氷峠の旧道での徒歩制覇は今後の課題となる。横川から高崎経由で帰宅。お尻が少々痛かったので、グリーンで浦和まで。本日終了。好天に恵まれて感謝。