境川沿いに江の島までサイクリング
2020・8・13 武蔵浦和から輪行。北朝霞から八王子までは直通の「むさしの号」で。横浜線相原からサイクリング。帰りは藤沢から浦和へ輪行。トレック
鎌倉街道上道が境川の段丘上を通っている部分も多いことから、以前から川沿いのサイクリングロードの存在は知っていた。ある日境川の河口が江の島にあることを知り、いつかは走るぞと決意していた次第である。なにしろ江の島には上陸したことがないのだ。スタートをどこにしようかと悩んだが、本来の源流の高尾方面からでは少々距離が嵩む。横浜線の相原の駅が一番境川に近いのでそこをスタートにすることにした。せっかく八王子に行くので「むさしの号」を利用することに。
■町田まで
八王子から横浜線で相原へ。周辺が思いのほか小ぎれいな住宅地になっていて驚く。とはいえ相原は駅前には何もなく、線路は深い緑に囲まれているという風情だ。近くの境川はまだ細流で、川岸は緑で覆われている。サイクリングロードではないが道は川沿いをほぼ通っていて快適なサイクリングである。左岸を少し離れて町田街道が並走している。町田街道も古からの道で、そもそも境川自体がその名の通り国の境となっているわけで、境に古道が走るのは法則通りなのである。町田までは緑が多い。ところで輪行のせいか、サイクルメーターが動かず、スピード表示がされず、当然に距離表示もされない。最初なんとかしようと所々で立ち止まっては修理しようとしたのだが、気分優先ですっぱり諦めることにした。だいたい古道探索をしていると地図とにらめ合いっこをしながら右往左往と自転車を走らすのだが、今日はひたすら境川沿いで地図も不要、スピードや距離を気にしないで楽しむことに決めた。
■夏だ、暑い!カルピスだ。
町田を過ぎるとカンカン照りの中を走ることに。保土ヶ谷バイパスや246号線、東名高速を潜り抜けていくのだが、周囲も物流基地等が多いせいか緑が減って乾燥した雰囲気だ。左岸沿いには鎌倉街道上道が通っていて、瀬谷の「元瀬谷銀行」周辺等はなかなかしっっとりとした雰囲気の街だったが、境川は広野を切り開いていく雰囲気だ。戸建住宅街の後には、団地群が現れ一層熱風を感じる。実にのどが渇く。町田街道を離れてからは、近くにコンビニの影すら見かけない。たまの自販機が命の糧で、1時間に500mmのペットボトル1本以上の給水が必要だ。木陰に自販機とベンチの組み合わせで吸い寄せられるように休憩。サイクリングには何故かカルピスが合う。
■腹が減る。冷えた梨が美味い!
ブルーラインを越えて 調整池公園 梨が美味い
12時をとうに過ぎ、腹減りサイクリスト状態であるのに境川はどんどん人気のないエリアをすすむ。団地すらなくなり、相鉄いずみの線とブルーラインの高架を潜ると果てしない広野が広がっていて、景色は雄大だが思わず絶望的な気分になる。ここの自転車道の表示は「1号線まで〇キロ」で、まだ10キロ近くある。しかし1号線に到達すると飲食店がある保証もない。しばらく進むと右手に人の集まる光景が。なんとフルーツ農園の表示。フラフラと立ち寄れば「冷やし梨1つ100円」の表示。地獄に仏と言おうか実にお値段も良心的。切羽詰まった感じがバイトのお姉ちゃんにも伝わったのだろうか、真っ先に対応してくれて、隣のお客から「私も待っているのですが。」とクレームを受けていた。ごめんね。まあ、この小ぶりの冷えた梨の美味いこと。1個300円でも買ったと思う。食べた後に自転車をこぐと、それまでと力の入り方が違う。最近良く言われる「皆さんに力を与えれれば・・」的な発言は嫌いだが、食。ものは確実に人に力を与える。料理人が「私の料理を食べてくれれば、力が出ますよ。」と言うのならありかなと思う。
■忘れていたよ。田んぼを渡る風が冷たいってことを!
境川と和泉川が合流 広大な田んぼ
この後は急に木陰のロードが現れたりと、梨パワーで元気を取り戻す。境川は和泉川を併合する。そして景色は一面の緑の田んぼへと。時折吹き抜ける風が体を抜けて涼しい。以前にこの辺の風景を、左岸の高台から見下ろして、いつかこの風景に身を置いてみたいと思ったのだった。こんな風景だが1号線まではもうすぐそこだ。
■埼玉県人湘南エリアに侵入。手形なし。
藤沢の街へ 遊行寺 江ノ電陸橋 海が近い 境川河口
いつのまにか景色は藤沢市街になる。1号線を潜れば遊行寺の山門も。以前は旧東海道から立ち寄ったが、こちらが藤沢宿から登る正式な参道のようだ。藤沢でようやく昼飯。この冷やし中華の味は忘れられない。以前にヘロヘロで食べたゆで太郎の冷やしそばの味が忘れられず、その後時々利用するようになったので、こうした記憶は意外に自身に刻み込まれるものなのである。藤沢市役所を過ぎれば、川でも海が近づいていることがひしひしと感じられてくる。江ノ電の高架を潜ると、川沿いの住宅もリゾート風になる。海風もそれなりに強く、普通の木造住宅で大丈夫なのだろうかと少々心配になる。でもそんな家々が湘南の雰囲気を醸し出し、自分も妙にハイになっている。間違いなくこれは旅だ。
冒頭の弁天橋で一応境川河口にトウチャコということになるが、それにしてもこのコロナ禍の中すさまじい人出だ。思えば江の島には未上陸なので、車道で往復して記念とした。海の光景は夏らしく来て良かったとつくづく思う。それにしても夏の湘南に来るのも初めてなのだ。一体どういう人生なのかと問われると、少々答えに窮してしまう。道行くオジサンたちがサーフボードをバイクや自転車で運んでいる姿を見ると海が生活の一部なのだということが実感され、何となく異邦人の気分だ。帰りは引地川河口から藤沢駅へ向かい、輪行で帰途についた。藤沢はなかなか良い住宅地だ。皆が住みたがるのも理解できる。
<経路地図>