多聞寺(鐘ヶ淵)~浅草~大手町・皇居~高輪~大井~本門寺~鵜ノ木~丸子橋 自転車トレックFX-3
家から荒サイで多聞寺へ。ここを東京の東の起点としてスタート。多聞寺前の通りは古道の面影を色濃く残す。古い商家の建築も残り往年は栄えていたのだと思われる。墨堤通を渡り梅若公園へ。白髭のアパートが抜けられないので北側に回り公園から木母寺へ。そのまま公園内を通ると明治通りにぶつかる。白髭橋を渡り右手に折れて石浜神社へ。神社は真新しい建物。参道が長く入口の早咲きの桜が満開に近い。荘厳さはないが綺麗で心地良い空間だ。
隅田川沿いの道を下流に進む。待乳山を過ぎ6号線と合流。浅草駅周辺は着物を着た外国人が目立つ。浅草の駅の辺りはもともと古道の「豊島駅」があった場所らしい。高幅員の車道をトレックで駆け抜ける。案外道は空いていて快適だ。途中で鳥越神社に寄り道する。創建646年ということで気になっていた神社だった。もちろん今ではそうした古さは感じられない。普通ぽさが良い。
神田川を渡り横山町の衣料問屋街を抜けていく。古道らしさはないが道筋であるらしい。都内は道路が拡幅されてビル街になっていても道そのものの位置が変わっていないことは多い。早くから人が定着していたからだ。道筋がわからなくなるのはむしろ最近の住宅開発地等のようだ。さて日銀の建物に突き当たるので左手に迂回して常盤橋を渡りJRの高架を潜って大手町。そのまま皇居に突き当たる。左折して内堀通を進んで皇居外苑を抜けて、日比谷公園脇を通る。はっきり言って古道と関係なく気持ちが良い。気候も穏やかで目に入る景色も緑が多く、しかも日本の中心地を自転車で走っている。なんの文句があろうか。 今日ははとバスツアーのようだ。愛宕山、青松寺前を通り東京プリンスを右手に曲がって坂を登る。古道は愛宕山と青松寺に接していたようで、正則高校の敷地内が本来のルートのようだ。
増上寺脇を抜け赤羽橋の交差点へ。国道1号に合流して慶応大学の先の聖坂を右折する。この坂は尾根道の古道筋。右手に普連土学園を見ながらギアを落としてペダルをこぐ。右手の亀塚公園でトイレ休憩とする。この公園の東側は海に向かって高台になっていて、崖を降りていく立派な階段が付いている。正面の郵便局の建物の4階と同じくらいの高さにいる。昔はさぞかし海がきれいに見渡されたのだろうと思う。都会の公園にしては子供を遊ばせている人が多く、場所柄皆小ぎれいだ。ベンチに一人で腰かけている若い女性も実に絵になる風景。 公園を出て古道筋を登る。右手はお寺が並んでいる。伊皿子坂を渡りグランドプリンスの前を通り高輪の高級住宅街を抜けていくが、この辺は古道の雰囲気が色濃く残る。続く北品川の住宅地内の真っ直ぐな細道も古道筋だ。
下って居木橋に。ここから先は鉄道関係の施設で道筋は残っていないが散歩(ポタリング)と考えれば面白い道行きになる。目黒川沿いを下流に向かって新幹線の高架を潜り、目黒川を渡る。新幹線沿いに進み線路にぶつかる所でエレベーターで歩道橋を登り、りんかいせん線を渡りまたエレベーターで降りた所は大崎駅の南側だ。ここからりんかい線沿いに品川区役所前に出る。この辺で古道筋に戻ることになる。それにしても古道と区役所はよく絡む。
大井三つ又の交差点から池上通を進みすぐ細道を左折。これが古道筋で幅員4m未満の部分もあり、通り沿いには古刹が並ぶ。定石通りである。現在はアパートを初めとして建物が建ち並ぶ住宅密集地帯である。西光寺、光福寺、来迎院と続くが特筆すべきが光福寺。創建も782年と古いが、ここにある井戸が「大井」の地名の語源となったそうな。加えて大公孫樹の見事なこと。枝や幹から恐らく樹液が垂れたのだろうが、それが乳房のように幾重にも垂れ下がっている。公孫樹が古木になるとこういった姿になることを初めて知った。神々しい。
池上通に戻りしばらく進むと大森遺跡庭園。ここには線路脇になるが大森貝塚跡がある。海際の高台で古道が通る条件と合致する。しばし休憩とするが気付くとお腹が減った。人であふれかえる大森駅前を抜けて通り沿いの天屋に駆け込む。自転車は舗道と車道を隔てる柵につないでおいた。 この後環七を渡り先に進むが、ここから先は古道筋が続く。行政がいにしえの道「古東海道」の表示看板を設置してくれていてうれしい。もちろん古東海道は鎌倉街道でもあるわけだ。住宅と商店が混在した落ち着いた街並みが続く。
呑川を渡って池上本門寺前へ。この辺は古い商店の家屋も残る。階段を登って五重塔を足早に見学。桜の花がもう5分咲き。 1号線を越え、池上線の千鳥町駅の踏切を渡り環八手前の稲荷神社の右側の坂を登る。左側は崖上で古道筋らしい地形だ。通り沿いには八幡神社もある。途中下って環八を渡り鵜の木の住宅街を通る。公園やお寺、神社があり緑が豊かで、邸宅も数多い。空気が冷やりとする。
東急多摩川線沼部駅の辺りが丸子の渡しだったようだ。線路を渡り多摩川の土手に出る。対岸には武蔵小杉のタワーマンション群が聳えている。しばし休憩し、丸子橋を渡って武蔵小杉から輪行することにした。
<経路>