①鶴ヶ峰(旭区役所)~本宿町~南本宿~こども自然公園~戸塚カントリー脇~川上町~秋葉三叉路(東海道本線手前)~②上柏尾町~山登り~下永谷市民の森~下永谷4~日限山・南舞岡~舞岡公園~本郷台~いたち川~笠間~大船~北鎌倉~亀ケ谷切通~鎌倉駅  徒歩

古道発見?

平戸永谷川を渡り、東海道線を歩道橋で越え、国道1号を信号で渡る。およそ古道らしくないが道筋ではあるようだ。1号を山崎パン工場の前で左折すると雰囲気が変わる。昔の街に紛れ込んだようだ。細い道だが郵便局があり病院があり幼稚園がある。柏尾町との表示だが昔ながらの町の雰囲気だ。進むと山に登っていく田舎道のようだが、この道は上柏尾町との境になっている。登り切ると行き止まりになる。さてどこかで道を誤ったか。少し戻ると森の中にグランドが見える。森の中に足を踏み入れると未舗装の登りの山道が一筋見える。これはもう進むしかない。それにしても入口がさあどうぞという感じではない。グランドは鬱蒼とした森の幽玄な雰囲気の中にあるが、それなりに整備されているのに。 登っていくと左手は私有地で工事用の柵で先に進めなくしている。社があり地主の守り神のようだ。森の先の丸い光に向かって進むと前が開けた。左手下に住宅地が広がっていて、その脇の崖の上を細い道が走っている。家の軒先を掠める様に歩く。 後でも確認したがこのルートは芳賀本には記載されていない。しかし形状といい町境を走っていることからこれは古道ではないだろうか。本日のハイライトとなった。

区境をはしる古道

途中右手に団地側に下る階段があったが、そのまま真っ直ぐ崖上の細道を進む。やがてこの道は下永谷市民の森に吸い込まれる。港南区と戸塚区の境が道筋になる。今度は右手の戸塚側が下っていて崖状で眺望が開ける。道は公園の一番端を抜けていく。公園を抜けて住宅地になってもこの構成は変わらない。道は基本的に区界を走り、右手が低地だ。そして2項道路。開発された住宅地なのだろうが、開発地の一番端なので昔の道路形状がそのまま残されたのだろうか。開発の際の2項道路の扱いについて今度調べてみたい。 公営住宅の団地が現れ、道はそちらに収れんしてしまうかと思いきや、2項道路の先に未舗装の道が見える。これが古道だ。

しかし、その道を進むと板金工場、リフォーム清掃業者の事業所だらけ。停まっている車も「水の救急隊」のたぐいのワンボックス軽自動車の群れ。その他プレハブがやたらにあるが、プレハブの用途は倉庫か?資材やら事業ゴミの放置。そして人気が無い。外国人労働者が一人歩いているだけ。夜この辺に連れ込まれたら自分が解体されそうな雰囲気だ。やがて行き止まり。んーと唸って足早に道を戻る。戻って公営団地の方に向かうが、地図をじっくり眺めると方向が違う。またさっきの業者の巣窟の方へ。進むべき道は叢の中に走る一筋のけもの道か。業者がトラックを停めている脇をすり抜け、けもの道を進む。確かに道は抜けているようだ。左手は崖になっていて「危険」とフェンスが張られて下は大きな農家。やがて舗装道路に合流して目の前は大規模な特養ホーム。その左側に古道が続く。道は緑に包まれていき未舗装になって完全に古道になった。しかし実はこの真下を地下鉄ブルーラインが通っているのである。道は舗装に戻りまた別の特養ホームの右側の側道になる。道なりに左手に折れるとマンション群が現れ一旦古道は消える。こんなところにとも思うがブルーラインの下永谷駅がすぐ側なのだった。ただ幹線を渡ると大きなマンションの脇を古道が抜けている。遊歩道のようになっている。 そしてその先は古道は横浜の住宅開発の波に呑まれてしまう。しかし、むしろここまでは良くこんなに古道の痕跡が残っていたと感心した次第。

日限山 古道

 

宅地開発の端には古道が残っていた

思いの他太陽が照りつけて大汗をかき体力が消耗する。日限山、舞岡という不動産業界では良好と言われる開発地を抜けようとしたのだが、方向感覚を失い道に迷う。時折行きかう若い女性は細身で身なりが良く、ここが良い住宅地であることは告げてくれるのだが、良好な住宅地は何処も同じに見えてしまうのだ。しかし、この状態が山岳だったらと思うとゾッとする。遭難の状況とあまり変わらない気がする。何とか目標の港南プラザ前の交差点に辿りつき、コンビニでガリガリ君オレンジを頬張り、シャツ下のTシャツをトイレで脱ぐ。ぐしょ濡れで買い物をした際のビニール袋に仕舞い込む。もう汗が乾かない状態だ。もっと早くノースフェイスのシャツ1枚になれば良かった。

 開発地の道を舞岡公園へ。公園を抜けると本郷台の住宅開発地になるのだけど、古道跡は栄区と戸塚区の境に残る。恐らくは行政区毎に開発申請が上がった際に、開発区域の端にある赤道(2項道路)はそのまま残ってしまうのではないかと推測される。戸塚双葉幼稚園の前から高台に環状3号に遮られるまで道筋は続く。越えてすぐ道筋は開発に呑みこまれてしまうが、流れに沿って本郷台を進んで本郷台小に突き当たると、再び2項道路になる。古道の道筋の復活だ。駅に近いエリアなので開発がかかる前に古道沿いに家が立ち並んでしまって形状が保たれたのだと考えられる。この道筋は根岸線を踏切で渡り、イタチ川の新橋を渡るまで続く。途中で大きな旧家前には庚申塔、馬頭観音も保存され、古道であることを物語ってくれる。 ちなみに本郷台は南斜面の住宅地で明るい雰囲気。駅も近いし良い住宅地だ。歴史も古いしね。

いたち川

いいなあ大船のマンション

環状4号を渡って幹線にはなるが道筋は大船まで続いて行く。住宅と商店が混じる地方都市の趣だ。右手は高台で崖状になっていてその先は開発地になっているようだ。途中笠間中央公園の入り口があり、その手前に庚申塔、馬頭観音が集められていた。そのすぐ先は左手が資生堂工場跡地でマンション建設中。鎌倉好きだが通勤を考えて大船駅利用という選択は確かに有だ。街も落ち着いているし。 だいたいが大船は鎌倉街道筋は残っているのであるが、旧市街地の生活道路になっている。道としては一番幸せな残り方なのだと思うが、街の人々は古道だと知っているのだろうか。住宅地を延々と通りやがて横須賀線の踏切に。小袋谷川を水堰橋で渡る。

いざ、鎌倉へ

この先は幹線道路と鎌倉街道が重なるので交通量が多く今ひとつ楽しめない。北鎌倉を過ぎ円覚寺の参道前を通り過ぎ踏切を渡って鶴岡八幡宮方面へ。しかし交通量は多く、狭い舗道を鎌倉学園の生徒が我が物顔に歩き不快なことこの上無い。長寿寺を右折して亀ケ谷経由で鎌倉駅を目指すこととする。これは大正解。亀ケ谷はしっとりとした雰囲気で、涼しく疲れた体を癒してくれるかのようだった。薬王寺前を通り地蔵堂を右に曲がり線路沿いに。賑やかな小町通りを避けて踏切を渡り鎌倉駅西口に到着。これで中道を走破したことになる。めでたし、めでたし。